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認識-介入-評価

今週末はリハビリテーションスタッフを対象とした

吸引(口腔・鼻腔・気管挿管中の開放式、閉鎖式吸引)の研修があります。




去年はリハビリスタッフから実際にあった吸引場面を確認し、

その事例をもとに研修プログラムを立案し実施しました。



今年は、技術メインでという希望があり、少し軌道修正しております。




それでも、どうしてもはずせないコトがあります。



例えば、今回の吸引研修、目標を以下のように掲げました。

リハさん吸引目標


技術メインというと、目標2の介入部分になります。


ですが、この目標にある「安全安楽」なところには、

技術(テクニカルスキル)だけでは達成しきれない、

非技術(ノンテクニカルスキル)の要素がたくさん含まれています。




例えば痰を取る前には、

吸引の必要性を患者さんに説明しなければなりません。


患者さんがリラックスできるような声掛けも必要となってきます。



こういう説明や声掛けがあって、

少しでも患者さんに安心してもらうができると思います。



理解が得られず不安や恐怖の中、吸引を行うと

苦痛を伴うことですから、

暴れたりされると安全を確保できないかもしれません。





そして、

吸引の必要性を説明する前には、

「吸引の必要性がある」という、

患者さんの状況を認識しなけれなばなりません。




この状況認識が、

ノンテクニカルスキルのカテゴリーの1つになります。



技術トレーニングの前後には、

認識や評価といった非技術トレーニングが常についてまわるので、

実際のところは、そこを省いて技術メインというのは、

なかなか難しいものです。




リハビリスタッフの方の希望を聞きつつ、

「考えて判断する」ことを交えながら、

技術が習得できるようなプログラムを作っているところです。





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認識力

オリエンテーションを終えた研修医や新人看護師の皆さん。

緊張と不安を胸に、臨床デビューしていきました。



実習や授業で習った技術を、

少しずつ実践していかなければなりません。



当たり前のことですが、相手はシミュレーターではなく、

患者さんであるということが、今までとは大きく違ってきます。




更に、患者さんだけではなく、

ともに仕事をしている仲間や先輩、多職種との交流もあります。



そこで医療職に求めらるものとして、

ノンテクニカルスキルが重要だと言われています。




定義は様々ですが、

簡単に言うと、技術を補うための技術以外のテクニック。





ノンテクニカルスキルのカテゴリーには主なものが8つ、

その中の一つに「状況認識」というものがあります。

『状況認識(situation awareness)は簡単にいうと
「あなたの周りで起こっていることを分かっていること」と説明できる』

 引用:「現場安全の技術ーノンテクニカルスキル・ガイドブックー」


書籍








臨床では、様々なことが起こります。


まずは、そこに『気づく』ことが必要です。



この『気づき』は、知識ばかりが豊富でもダメで、

今まで培ってきた経験や、第六感などが総動員されて発揮されます。




そう考えると、臨床経験の少ない研修医や新人看護師たちは、

これからたくさんの経験を積んで、

『気づき』のアンテナをいっぱい育てていってほしいと思います。







さて、次の文章を読んでみて下さい

文字校正解除



笑っちゃうでしょ!

私は、はじめ読みにくいなぁって思ったけど、

文字の順番を気にしなければ、スラスラ読めちゃいました。



これは、人間が文字を認識する際、最初と最後の文字さえ合っていれば、

順番が違っていてもきちんと読めるという、

ケンブリッジ大学の研究に基づいてつくられているようです。



今までの経験や記憶から予測して、

自動的に認識してしまう結果、読めてしまうようですね。





ちなみにこの資料をWORDで入力していると、

頭脳明瞭なコンピューターの文章校正が入りました。

文字校正
校正が入っていないところもありますが・・・。




間違っていながらも読めてしまう、

そして内容すら理解できてしまう人間の認識力ってすごいですね。


ですが、

これが時にヒヤリハットなミスの原因にもつながります。


「思いこみ」なんかがそうですね。





この認識力、

できればミスではなく、いいものとして発揮させたいです。






けんし

耳だけで得る情報は、時として誤解を招いてしまいます。


文字(漢字)だと、すぐにピン!ときて、

今回のような誤解は生じなかったように思います。




医学生:「糸結びの練習をしたいので、糸を少し分けてもらえますか?」


管理人:「けんし(絹糸)でいいの?」


医学生:「ん?」


管理人:「けんし(絹糸)でいい?」


医学生:「・・・・」


管理人:「普通の糸で大丈夫?」


学生:「あ、はい。それで大丈夫です!」


学生:「は(歯)だと思いました」


管理人:「え、は(刃)?あ~、けんし(剣士)ね」


学生:「そうです。けんし(犬歯)」




誤解が更に誤解を生んでいます




「は」と聞いて、

私は「刃」から「剣士」を想像し、

学生さんは「歯」だと思い、「犬歯」と捉えていた。




今回はほんの数分の間に

3つくらいの言葉が行き交う誤解が生じてしまいました。



笑い話ですけどね。




ですが、医療現場ではこのようにはいきません。



多職種が集まる職場です。


共通言語で話すこと。

それからクローズドループコミュニケーションが大切。



これは、「双方向のやりとり」と言われていて、

ACLS(二次救命処置)プロバイダーコースでは、

効果的なチームダイナミクスの要素の1つとして挙げられています。



自分が伝えたことが、相手に正しく理解されているか確認すること。




当たり前にできているようで、

実際はできていなかったり、「阿吽の呼吸」がヒヤリを招くこと、

私も経験してきました。



普段から共通言語を使って、

双方向のやりとりを習慣づけていくことが必要ですね。












暗黙知

私がこの言葉を知ったのは、今から10年以上前になります。



現役看護師だった頃、何かの研修で渡された資料の中に、

書かれてありました。


そして、


一枚の写真が添えられていたのです。





それは、アメリカ同時多発テロのもの。



見たままを、文字で説明するとこうなります。



炎上し黒い噴煙が上がる世界貿易センターを、大粒の涙を流し見上げる女性。

パートナーとみられる男性の写真を、力強く胸に抱きしめている。





皆さんは、この説明でどのくらいイメージできましたか?

あるいは、皆さんの心の中にどのように伝わったでしょう?





「我々は語ることができるより

        多くのことを知ることができる」





マイケル・ポランニー(Michael Polanyi 1891-1976) 『暗黙知の次元』で

提唱されている暗黙知の概念です。

1962年イェール大学で行われた講義を元に書かれたものだそうです。





研修で渡された資料の続きには、このように綴ってありました。



テロの写真を見て、

皆さんは、文字で読む以上のものを感じ取ったのではないでしょうか?




そうです!

確かに感じ取りました。



だけど、その感情はうまく言葉で表現できない。




感性、気づき、人となり、第六感・・・。




これは全て、その人それぞれの「経験値」に基づきます。



ですので、感じ方はきっと人それぞれ。




ノンテクニカルスキル教育でも大切な部分ですが、

ここを学んでもらうおうと思うと難しいです。






私は思います。




普段から、たくさんの経験値を身に付けていってほしい。




それは、医療にかかわるものだけではなく、

友人と談笑している時や、一人部屋でいる時にでも

経験できるであろう、数多くのことを感じとってほしいと思います。





最後に一枚の写真をご覧ください。(小児がんにかかわる写真です。辛い方はこの先ご遠慮下さい)























BjRdPLwCYAAATIi.jpg
A cancer patient draws her wish on a mirror
出典: がんの子どもが描く夢  閲覧注意





皆さんは何を感じ取ったでしょうか?



プロフィール

シミュレンジャー2号

Author:シミュレンジャー2号
クリニカル・シミュレーション・センター(CSC)の管理人
シミュレンジャー2号です!

現役ナースを引退して3年目突入。シミュレーション医療教育、ノンテクニカルスキル教育を中心に、頭(8割)・体(2割)を使ってお仕事しています。

上司の元祖シミュレンジャーよりmissionが発令され、
bloggerとしての任務も
遂行することになりました!



よろしくお願いします❤

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